思い出

思い出

悲しい

青空の端の方で鳥は初めて飛んだ時あんなに高くを飛ぶと思っただろうか私も生まれて子供をやっている時こんな人間になると思っていただろうか未来は不明不明は悲しい
思い出

赤トンボ

赤トンボが人の高さの空を歩いていくさらに高くをツバメが横切るとても彼等のように豊かな一生にはなれないせめて花による同じ境遇の虫を狙う暖かい日もある辛く羽根に雨が当たる日もある彼等に神様はいないたまに優しい風のベッドがあるだけだ
思い出

悲しみの八月

遠い八月の暑い日にそこに残された人々は苦しいことも悲しいことも解き放たれて 佇んでいるもう全てから解放されて永遠の記憶だけで生きていくそれは静寂の森行き交うだけの街もう瞳は何も語れない
思い出

真実

自然を観察しよう顕微鏡で見極めよう花を昆虫を岩石を周囲をそこに一つの意志の美の形が有るはずだから忘れてきたものを思い出し小さな小さな真実を感じる
思い出

道草

道草は遠い昔の思い出を湛えて皆みんな一緒だった淋しさなどはひとかけらも無い温かな時の流れだった
思い出

アベベの蛇口

アベベは走った鬱蒼としたジャングルでなく人人人のジャングルを国のため自分のため最期まで一人で走った頂点に立った時欲しかったのは丸い飾りでなく家族への蛇口だった
思い出

輪廻

私がいて母がいて父がいて子供がいて友達がいて挨拶していく人がいて隣人がいて人間がいてそして母が去り父が去り私が去り子供が去り優しさの中に温もりの中にあなたは残りそして又継いでいくあなたはなんと偉大な人間なのだ
思い出

そんな時代

月にアコーディオンが流れる10万年後の人間は思い出しているアコーディオンに潜んでいる地球を
思い出

宇宙より

人は宇宙に作られたそして人は宇宙を創っていく故に 宇宙には人が詰まっている   神も詰まっている宇宙には狂気も苦悩も潜んでいる生も死も 美も悪も 男も女も飛んでいる漂って争っている幸せが分かる時は今はもう遅い
思い出

熊と私

ツキノワグマは住宅街の中を嗅ぎまわる川を渡って果樹園に通う私は朝方の青い空の中でちぎれ雲を追って泳いでいく故郷の村は霧から目覚めては初夏の太陽を田植えの隣人と過ごす降ってくるような懐かしさが体を満たした