思い出

思い出

生い立ちの理由

意味もなく生きている人生ですが自分自身 ミミズの如く生きられもせず体の大きな見栄だけですそれが 唯 道端を歩いているいつもの狭い往来の中で小さく小さく蠢いている朝陽に少しの夢を浮かべ夕日に去った人達の記憶をわびしがり日に日に継いで無駄にして...
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上と下

何のために生きてきたのかこんな小さな体で何のために生きているのかこんな大きな体で明るい心と 暗い心賢い頭と 狡い頭お互い補え合えば済んでいるのに単なる 赤と緑上も下も反対から見れば 下と上初めは通じていただろうに
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虫と人

虫はどこまで行けるのだろうか海は飛び越えるそうだが地球の裏側は見れない人は自分で海を飛び越えられないが地球の裏側は見れるしかし 虫も人も相手の裏をかく生きるためにかくそうやって一緒に生きてきたそうやって終える時にはお互いに称えなければならな...
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赤トンボ

何故 お前はもっと強いものに進化しなかったのだい群れるだけじゃ 仕方ないじゃないか明日は 大きくなれるとでも思っているのかい世界は そんなに甘くはない今では もう追われるだけになってしまい幸せなどとは遠く離れてしまって繰り返しだけの人生であ...
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昔あった音たち

もう消え去った音たちはなつかしく今 漂っているハエの羽音皆 捜している音がある心の奥に潜んでいるそれを いつか 又聞きたくて日々をやりくりしてきても音でなく 記憶となった音私をどこまでも包んでくれたいつまでも一緒にいてくれた響きあの音たちに...
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空想

空は時間  時間は変化変化は未来  未来は希望希望は七色  七色は人種人種は形状  形状は有無有無は過去  過去は時間時間は空
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人間の形状(ジャコメッティ―)

線になった人間影を失った人間まさに理想の人間じゃないかそんな日がくることを願う心から願う裏も表も必要なくなって人間の理想の形状じゃないか
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花見

満開の桜が丘の上で光っているこんなに今輝いているのに喜怒哀楽の遺伝子が 通り過ぎていく毎年頼りない心を包んでいるあちらで酒盛りだ人の世の一瞬でしかないのに花の心と呼応して束の間の時を個人のはかなさを共有していく
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カエルは見ていた

大きな才能は 全てを受け入れる小さな才能は 全てを拒否しているその間に私達はいるのだが春の田圃の水の中カエルが目だけ出し世の中を見ているどの人間もせわしく せわしく見えて目を見開いていたのは当然のことだった
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民衆の願い

気を付けなければならない上に立つ者が必ず優れているとは限らない本当の人は たまにしか出てこない優れて劣る勝者は溢れているそして それに抵抗出来るのは我々の忘れっぽい 当てにならない勤勉さだから 時はゆっくりしか進まない嘆きは満ちるとも