昔あった音たち

もう消え去った音たちはなつかしく
今 漂っているハエの羽音
皆 捜している音がある
心の奥に潜んでいる
それを いつか 又聞きたくて
日々をやりくりしてきても
音でなく 記憶となった音
私をどこまでも包んでくれた
いつまでも一緒にいてくれた響き
あの音たちに恥じないように
生きたかったのに
今は背いたままに固まっている