供養

故郷

自宅の側に幅5間の清流が流れ寒い日の明け方下流にリンゴと鶏を食いにツキノワグマが渡っていく野性にとってそれが日常であった親から教えられた励ましであった
思い出

熊と私

ツキノワグマは住宅街の中を嗅ぎまわる川を渡って果樹園に通う私は朝方の青い空の中でちぎれ雲を追って泳いでいく故郷の村は霧から目覚めては初夏の太陽を田植えの隣人と過ごす降ってくるような懐かしさが体を満たした
夕照り

道は開けない

人の世はママゴトゴッコのように過ぎていくあまり生産的でない世の中に人は右往左往して真剣そうに生きる優しさの前に権力志向それが上になり進化は進まない本当に必要な人は謙虚になり悲しい人に道は開かれない熊が一生懸命子孫のために危険を冒している
供養

暗いマントを着た聖人仕事が終われば定めの土地に留まるだけ懐かしい者達への思いにふけるか懐かしい故郷を思い巡らすか運命の重みにめげず静かに佇む 永遠の中の奇跡じっーと私を見つめている
朝まだき

可能性

まん丸の宇宙に四角い思考が生まれまん丸い地球に四角い人が生まれ時間の川が角を削っていく力学の世界に 精神が生まれ角張る世界が静まっていくそんな未来はある可能性は いつまでもある
朝まだき

歌は心の広場何気なく人が行き交い何となく心が通い合うお互いを意識しながら挨拶もせずにすれ違っていくそんな場を作っていく
供養

野に放たれた牛へ

君に優しくなでる手を信じてはいけない君に道を開く者の企みを離れろ君は自分に作る道しか救いは無い私も鬼 周囲の鬼君には可愛らしい角二本だけ与えられたそこを逃れるには楽園らしきを捨てるのだそこから始まる先に夢があるとは分からないでも そこから始...
朝まだき

正義の味方

私の敵は誰だったのだろう正義の味方の道具を揃えていつか立ち上がるハズだったのに筋肉は衰え知覚も定かでなくなってもう飛ぶことは無理だ私を待ってた人はいたのにだが私はまだ諦めてはいないいつか明日の光を灯すのだ
供養

ハヤブサ

最期はすべて燃え尽きてしまうそんな勇ましさだったあなたに睨まれたら逃げることは出来ないそんな力は不幸しか望めないそれは父が望んだ 母が望んだ希望だった生のとある一本道悲しい運命の一本道
夕照り

すぐさまにも

いつ頃からかすぐさまにも悲しみは蔑みにされ弱者は弱者に固定しようとした人の悲しみの小ささ人のうぬぼれの大きさそんな歴史が回ったってそんな人は消えていけば良い地球の重みの中身は澄んだ風と清流であって欲しい残って欲しいのは軽やかな空気だ