朝まだき

朝まだき

カメ虫

自宅の中の壁にカメ虫が逆さに張り付いて多分私を見ている良い人か 危ない人か食べられそうか 舐められそうかそれらが来ると明るくなったり 暗くなったりうるさかったり 笑ったり余り役に立ちそうもないのは知っている
朝まだき

毛虫

春ともなれば私の村はリンゴや桜桃の花盛り畑の間をアスファルト通りも巡っています朝の通勤ラッシュの束の間に真面目そうな 着ぶくれの毛虫が行き交うタイヤのその間を身をくねらせこのアスファルト通りを通り越そうと 鉢巻巻いて額に汗して じりじりと何...
朝まだき

昆虫

昆虫は遠くの世界から飛んでくる光り輝く無数の星々や宇宙のどこからかヨロイに身を被い戦士なる遊泳者なる彼等は狡知 叡知を秘めて時空を疾駆する時に使わされた勇者として
朝まだき

新生物

まもなくどこかで新生物か生まれるいたる所にその気は満ちていてアスファルトの中 電気の中それが善やら 悪やら 無やらそれを進める力が徳を極めることなく空を流れている
朝まだき

妻の入院

妻が入院の日は一日中 虹がかかっています西に東に高く低く運命が迷っているようですこれまで運命に逆らった日々今日も立ち向かう無常の者が息を吐く不思議に箸の折れた日でもありました
朝まだき

人類

人類は多くの蛮人で作り上げたゼンマイだバタフライエフェクト悪や善や の交じった錆びていくゼンマイ時と共に緩んでいく誰でもがその解放運動に参加したのだ
朝まだき

人生

人の世に70年生きてきた意味を感じる用もない人になって私の人生の意味を人間の価値が見えてくるそれが私のゲノムの仕掛けだった
朝まだき

道者

ゆく夏に一人照らされ萎れゆくなれど心に刃持ちて来て無辺の中に助るものもなき道消ゆ野辺を進みて果てよ
朝まだき

瞬間

この胸騒ぎは何だ私は運が強くマイペースで良いのに天は私に何を経験させようとするのだこの胸騒ぎは何だ
朝まだき

トンボの一生

とんぼよ秋の一日残り少ない日数を後世と血筋の力に託し最後の有頂天をつがいにして飛んでいる私はその間に車を走らせていたのだがおうっと危ない妻を守ってしっかりカジ取りをせよ