夕照り

行く末私の心も饐え寄る辺なき土地に糧を求め落ちぶれた身は故郷を偲ぶことも出来ない今 人の世の汚泥の中で死に絶えた鳥があの青空を懐かしむように青空の中で 死にたいと思うように私もこの縁の薄い 風景の中で最後を迎え父も 母も 祖先も人類の多くが...
思い出

巡り合い無窮の時の中で同じ時間に乗った仲間が己が方角を定め 駆けてゆき別々の営み 戦いの中で40数年が経った傷ついた者 行きあぐねた者尚 風雨に胸を張り耐えている者果て知れぬ 巡り尽くせぬ宇宙の地球でふと巡り合った北国の中でしみじみと生い立...
夕照り

次郎豚粗食に甘んじ 好みを選ばずきれい好きなのに 住いの泥土を諦め邪魔な毛もわずかに柔らかい肉は与えるために用意されました往く宛ても無ければ 脚力の無いこの足で十分です歌うことも 叫ぶことも苦手な私はわずかに濁った呼吸があるだけです。おかし...
夕照り

故郷生まれ落ちて 生きてきた大きな人々の苦い口腔が待っていた抗う術もなく落ちていく私に優しく投げかけてくる微光が苦根の中で光り出そうとしていたのに誠実をあざけていた魂は戻る道を失ってさ迷っている安住は与えられていない雪の中に取り残された心を...
夕照り

運命あなたの光を求めて待つことは もう諦めました期待することは罪なのでしょうか理念 理念 雑念人間とはどれ位の位置にいるのでしょうか幸せに値するのでしょうか私だけが後れているのか宇宙創造からたどり着いた私の形とても とても栄光の道とは思えな...
朝まだき

矛盾権力が歩いている幟だったり TVだったり人になって歩いていたりする人情を失った権力は注意しなければならない弱い人間は益々蔑ろにされ単なる添え物となってしまう互いに神の子なればこそ矛盾は大手を振っていく
思い出

タンポポ曇天の青空のわずかな日にタンポポは歩き出そうとしていたかつて 向こうの村から大分前の先祖が歩いてきたのを親から聞いていたのだ優しい川が流れニワトリものんびりしていたのをタンポポは立ち上がろうとしている萎えた足を真っ直ぐ伸ばして明日は...
朝まだき

追い詰められたら追い詰められたら私から何が出てくるのか宇宙が出てくるのに銀河系が飛び出してくるのに小さな人間と皆言ってくる小さな人間の前は大きかったのだ私の脳に書いてある誰も気付かぬ意識は知っているだから 私は大きくなれるのだ
夕照り

思考的人間つるんつるんの卵のような頭になった人間はくしゃみも出来ずに頭脳は内面だけになって考えていた外の気配はわずかにするのだが何か暗そうな日々が過ぎてるようだ望めばいつか太陽をのぞけるかもしれないがのっぺらぼうになって唯 思考内の中で生き...
思い出

思考の退化電車はなだらかな川の流れの谷を行楽帰りの親子を乗せて晴天に膨れ上がっていた下半身の汚れた豚は遠くに走り去る者たちを眺めながら考えていた私もあのように遊んだ日から何千年経ったかをまだ 二足歩行で 棒も握れたのにこの道を与えられて日々...