朝まだき

願い南の海に繰り返されたイクサのの後て゜5cmの蟹は 片手5cmのハサミを持ち1cmの飛び出た目で今でも何を招こうとするのか今まで何を見ようとしたのか当てにもならない理想が欲しいのか繰り返す波のように いまだに手招きしている
夕照り

赤トンボなべて この世は一期の終わりに 手向けの一輪だになく秋のうららに赤トンボは なに選ぶことなく温もりに寄るいざや、辺々に出生の思い出も無きや死所の人家の廊下なる 厠の庇なる屋根の端なるいまや一人立ちて 生に全うなるか
供養

生まれてみたらいっぱいの透明な空の下黄金一面稲穂の中で生まれてみたら私は 蛇でした生まれてみたら私は 風でした生まれてみたら私は 悪人でしたそして宇宙は満たされていく
思い出

素朴な疑問宇宙の星座は霞んでしまい地球もただの一皮だけとなってしまったら我々の最後の一人は それでも神仏の名前を唱えているのだろうか
供養

風風が遠い昔を運んでくる胸の奥の原器にささやいて薄汚れた外郭を一枚いちまいはがしていく風の伝達エネルギーは宇宙の神韻と結び付き体は膨張作用を始めた私にとって風は心の故郷だ
夕照り

祈り冬の日本海はためく波頭のかなた水平線はお祭りのよう人の頭が動めいているあの亡き人達もいるのだろうか遊びに行ってみたいけれど知っている人はダーレもいないからこの岸辺で眺めていよう私の足から波が砂を削る招いてくれるのはこの波だけかしらオイデ...