朝まだき

英知脳みその真ん中に 小さな箱がある箱の中にキリストが見た 仏陀が見た英知と真実と歓喜がある人間すべてに与えられたその箱は人格の大きさによってまれに開かれる時がある
供養

戦後忘れられた子供たち地理的 歴史的に子供たちは現在を無邪気に遊びたいのに空間に 時間に取り残された多くの子供たち草原にとどまりいつまでも化野には行かないのだ
供養

殺人鬼一人の人間が優しさの中で生まれ愛の中に育ち慈しみを養った体は知恵を持ち悲しみを感じ喜びが湧き怒りは手を握りしめ楽しみは人並みであった愛は切なかったその中に狂気などというのは無に等しいほどのものであった本人を動かしているのは本人以外のも...
夕照り

最期空が白くなり始め音が消える世界は時間が伸びて猫の威嚇の声牛の哀訴私は最期の時間に落ちていった
朝まだき

幼き子等へ貧しい者は父の背中が子を培い富める者は謙虚さが子を育てる真ん中の者は微笑みが子を養う
供養

一生農夫は荒れ地の木をを切る耕地を伸ばし豊かな刈り入れを夢見朝から昼を惜しみ暮れて一日の成果を見るささやかな食事と子供のあどけない目が限りなく彼を奮い立たせた誠実であったある日 鍬が手から離れなくなったそれでも良かったのだが運命の泥濘は 誰...
思い出

細木道小さい頃 はるかな山並みが懐かしかったそれ以来何かをずうっと捜していたような気がするいつか どこかでもう残っている時間も少ない速やかに旅立たなければならないのに古き本の中に捜した時もあったが山を越え 海を越えはるかに行かなければ無いの...
供養

 

老歌手の死世がまだ混乱としていて今だけに一生懸命な夢だけしか無い時代にあなたは余りに早く民心を温め夢を夢見る事しか叶わなかったあなたが光で自分の人生を飾って世を終えた完成に近かった人生華やかな 羨ましい人生が幕を閉じて 心は何かを伝えてくる...
夕照り

きた道野を駆け 獣を追い病に負けず誹謗に耐え 策略を抜け激しく思いは人を謀り人を嫉み 人を危める絶えることのない祖先の血は尽きない輪廻の果てに私を堆積しているカタコンベを継ぎ 哄笑を明け暮れそれで私とはあまりにも切ないきた道です
思い出

里芋昔 里芋は生命の糧だった 今も私を力づけるこの畑に荒んだ雨を ことさら丸くして遊ばせている同じ土地に 同じ養分で数千年前も澄んだ心で実っていたであろうそれを見る私と筋肉質の体躯 脂ぎった頭髪少しばかりの装飾品で身を飾った祖先の視線が同じ...