供養 一生 農夫は荒れ地の木をを切る耕地を伸ばし豊かな刈り入れを夢見朝から昼を惜しみ暮れて一日の成果を見るささやかな食事と子供のあどけない目が限りなく彼を奮い立たせた誠実であったある日 鍬が手から離れなくなったそれでも良かったのだが運命の泥濘は 誰も隔... 2025.01.14 供養
思い出 細き道 小さい頃 はるかな山並みが懐かしかったそれ以来何かをずうっと捜していたような気がするいつか どこかでもう残っている時間も少ない速やかに旅立たなければならないのに古き本の中に捜した時もあったが山を越え 海を越えはるかに行かなければ無いのであろ... 2025.01.12 思い出
供養 老歌手の死 世がまだ混乱としていて今だけに一生懸命な夢だけしか無い時代にあなたは余りに早く民心を温め夢を夢見る事しか叶わなかったあなたが光で自分の人生を飾って世を終えた完成に近かった人生華やかな 羨ましい人生が幕を閉じて 心は何かを伝えてくるそこでは ... 2025.01.10 供養
夕照り きた道 野を駆け 獣を追い病に負けず誹謗に耐え 策略を抜け激しく思いは人を謀り人を嫉み 人を危める絶えることのない祖先の血は尽きない輪廻の果てに私を堆積しているカタコンベを継ぎ 哄笑を明け暮れそれで私とはあまりにも切ないきた道です 2025.01.09 夕照り
思い出 里芋 昔 里芋は生命の糧だった 今も私を力づけるこの畑に荒んだ雨を ことさら丸くして遊ばせている同じ土地に 同じ養分で数千年前も澄んだ心で実っていたであろうそれを見る私と筋肉質の体躯 脂ぎった頭髪少しばかりの装飾品で身を飾った祖先の視線が同じにな... 2025.01.08 思い出
夕照り 行く末 私の心も饐え寄る辺なき土地に糧を求め落ちぶれた身は故郷を偲ぶことも出来ない今 人の世の汚泥の中で死に絶えた鳥があの青空を懐かしむように青空の中で 死にたいと思うように私もこの縁の薄い 風景の中で最後を迎え父も 母も 祖先も人類の多くが辿った... 2025.01.05 夕照り
思い出 巡り合い 無窮の時の中で同じ時間に乗った仲間が己が方角を定め 駆けてゆき別々の営み 戦いの中で40数年が経った傷ついた者 行きあぐねた者尚 風雨に胸を張り耐えている者果て知れぬ 巡り尽くせぬ宇宙の地球でふと巡り合った北国の中でしみじみと生い立ちを語る... 2024.12.31 思い出
夕照り 次郎豚 粗食に甘んじ 好みを選ばずきれい好きなのに 住いの泥土を諦め邪魔な毛もわずかに柔らかい肉は与えるために用意されました往く宛ても無ければ 脚力の無いこの足で十分です歌うことも 叫ぶことも苦手な私はわずかに濁った呼吸があるだけです。おかしい顔は... 2024.12.30 夕照り