夕照り

故郷

生まれ落ちて 生きてきた大きな人々の苦い口腔が待っていた抗う術もなく落ちていく私に優しく投げかけてくる微光が苦根の中で光り出そうとしていたのに誠実をあざけていた魂は戻る道を失ってさ迷っている安住は与えられていない雪の中に取り残された心を故郷...
夕照り

運命

あなたの光を求めて待つことは もう諦めました期待することは罪なのでしょうか理念 理念 雑念人間とはどれ位の位置にいるのでしょうか幸せに値するのでしょうか私だけが後れているのか宇宙創造からたどり着いた私の形とても とても栄光の道とは思えないそ...
朝まだき

矛盾

権力が歩いている幟だったり TVだったり人になって歩いていたりする人情を失った権力は注意しなければならない弱い人間は益々蔑ろにされ単なる添え物となってしまう互いに神の子なればこそ矛盾は大手を振っていく
思い出

タンポポ

曇天の青空のわずかな日にタンポポは歩き出そうとしていたかつて 向こうの村から大分前の先祖が歩いてきたのを親から聞いていたのだ優しい川が流れニワトリものんびりしていたのをタンポポは立ち上がろうとしている萎えた足を真っ直ぐ伸ばして明日は歩こうと...
朝まだき

追い詰められたら

追い詰められたら私から何が出てくるのか宇宙が出てくるのに銀河系が飛び出してくるのに小さな人間と皆言ってくる小さな人間の前は大きかったのだ私の脳に書いてある誰も気付かぬ意識は知っているだから 私は大きくなれるのだ
夕照り

思考的人間

つるんつるんの卵のような頭になった人間はくしゃみも出来ずに頭脳は内面だけになって考えていた外の気配はわずかにするのだが何か暗そうな日々が過ぎてるようだ望めばいつか太陽をのぞけるかもしれないがのっぺらぼうになって唯 思考内の中で生きている
思い出

思考の退化

電車はなだらかな川の流れの谷を行楽帰りの親子を乗せて晴天に膨れ上がっていた下半身の汚れた豚は遠くに走り去る者たちを眺めながら考えていた私もあのように遊んだ日から何千年経ったかをまだ 二足歩行で 棒も握れたのにこの道を与えられて日々の無い生活...
朝まだき

あの時

私はふと 地上に生まれ落ちた二本の足を与えられ前後に進むことしか仕方ない者としていつまでも一人で生きていく分けられた英知は少なく人に与えられもせず塵芥をまき散らすだけの身は樹体の限りの葉に満ちて黄金の魂と飾りを散らすイチョウを眺めいつもいつ...
供養

祈り

止まらない時間苦を作り 死の元いつも人に交わり絡みついているねばねばと動いていて間に喜怒哀楽が明滅しわずかに見かける澪標がわずかな人たちに 苦悶した精神に僅かな希望となって 人に寄り添う大きな優しい魂が流れに抗って手を拡げている纏わりつけ ...
供養

見知らぬあの人へ

一人小高い山の末枯れた紅葉の中20度の勾配を踏みしめるここは先頃苦しんだ人生を自分で終えた所一隅から黄ばんだ魂を感じる人の世のつれなさ寂しさを洞察と祈りを込めて勾配を踏みしめて行く