夕照り 赤トンボなべて この世は一期の終わりに 手向けの一輪だになく秋のうららに赤トンボは なに選ぶことなく温もりに寄るいざや、辺々に出生の思い出も無きや死所の人家の廊下なる 厠の庇なる屋根の端なるいまや一人立ちて 生に全うなるか 2024.07.10 夕照り
供養 風風が遠い昔を運んでくる胸の奥の原器にささやいて薄汚れた外郭を一枚いちまいはがしていく風の伝達エネルギーは宇宙の神韻と結び付き体は膨張作用を始めた私にとって風は心の故郷だ 2024.07.07 供養
夕照り 祈り冬の日本海はためく波頭のかなた水平線はお祭りのよう人の頭が動めいているあの亡き人達もいるのだろうか遊びに行ってみたいけれど知っている人はダーレもいないからこの岸辺で眺めていよう私の足から波が砂を削る招いてくれるのはこの波だけかしらオイデ... 2024.06.26 夕照り