供養

木だった時木のように立つ人間そのような人になりたい厭わず運命に佇んでいる元々それだけなのにいつしか足が生え 手が伸びだし目が光って 口が開いた時から身勝手な葉が伸びだし地球は回転を早めていった戻らなければならない木だった時に無垢の力だけに
朝まだき

思想私の生はムダしか生まなかった遠くの悲しい目 瓦礫に住む人たちがいるのに思想がそれを強いているのならせめて叫ばなければならない歴史に残すな 残してはならないいつか永遠にその記録を消しさらなければならない
供養

願い私達は本当のしあわせなのだろうか人の涙の上に悲しみの上に集っている本当のしあわせの中に住みたいせめてもの小さな私の人生にしたい役にもたたなかった生に恥じ入るばかりなのです
供養

明日のためにこの世は消えて帰らなかった人で満ちている昨日まで隣にいた人がもういない 雪原の中に取り残され記憶から消えてしまった人も沢山いるそんな悲しみが一杯詰まった地球で私は何をしたいのか私は何をすべきだったのか人よ私に熱く語れ暗い言葉でな...
朝まだき

お盆に笑いあう時代があったほほえみの時代もあった悲しみの時代がありイカリの時代があり決して世界は一つにはなれないのに最後に残る権力指向だけが人々の道を閉ざす人は一人にならなければならない人は一人から始めなければならない
夕照り

神何もない人のために神はいる何も頼れなかった人のために神はやってきたはるか遠くから現れた時に去ってしまう時もあるのだろう淋しく人は残される時もあるのだろう
夕照り

我も罪人罪人は救われないのか罪人故に知ることもある罪人にしかなれなかった人もいるこれも自然界の掟か太陽は昇るように太陽は沈むように全ての人に陽が射すように全ての人に雨が滴るように
朝まだき

心閉ざされた心どうしようもない心この大宇宙で一点の灯火でしかない心が無限に拡がって遊んでいるその後を人間が追っている
思い出

帰郷今夜 はるかな地平線に変人が休んでいます母に聞いた故郷を訪ねて旅を続けている途中なのです人知れずさすらう後姿を夜汽車の窓などから見かける時もあるはずです
供養

返礼大地に手を差しのべ温かく包み込んでくれた季節は過ぎ今 また 大いなる拒否の境遇を宇宙意思は等しく差し与えた心が凍ってしまっている者には非常に危険な季節だ呼吸を調え 徐々に精神を寛ぎそして又心に優しさの灯りを点そうそうだ 私は故郷を失って...