思い出 地球彼等 花やかな者達は蝶々に生まれてきた君たち 恐ろし気な者は トンボに生まれてきた 慎ましやか者たちは ミミズに騒がしい君はウンカだ僕は蛾だった彼等は善人だ僕は悪人だ唯 皆んな生きてきた食ったり 食われたり皆んな死んでいくんだよそして ... 2024.12.02 思い出
夕照り 遺伝私の耳に今日も心のかなたから絶え間なく響く叫びが届いてくる荒々しく すんでいる私の祖先もその中で生き私の子供たちも包まれていく私はその中で育ちそして 一個の感性になっていく 2024.12.01 夕照り
朝まだき 猫猫にも悲しい日はくるのだろうか静かな顔で変わらぬ食事をして良い日が来るのか来ないのか何故か細眼の猫はいない大きな眼を見開いて斜に構えることもなく定めの中で生きていく宿命に恐れず今日も満たされずに家々の角を忍びやかに伺っていく 2024.11.28 朝まだき
朝まだき 自然果て無き宇宙 芥の人の身何ものをも超える思考無限の涯を見ている運命の果ての一輪のアザミの花満月の裏寒い月光の中宇宙と一体に命を輝かす風にリズムをとりカエルの声と同調し霧の繁みに情熱を灯す一草も生きている一草も伸びようとしている 2024.11.27 朝まだき
思い出 人生風が吹いていた風が吹いている路地に生まれ懐かしい人達がいた私は今 還っていかなければならない時から離れ 立ち止まり続ける皆が進んでいく 離れていくチョウチョウは強い風に向かって飛びトンボは麦藁帽子を自分の庭にしている黒猫は駆けてきて飛び... 2024.11.26 思い出
供養 お香お香を焚いてあげましょう何もしてやれなかった父母へ私はもう これ位しか力が無いのです今までも大して無かったのです心からのお香を焚きましょうせめて あの空の遠くまで届くように思いをこめてもう 同類となった父母へ最後の勤めのお香を焚きましょ... 2024.11.24 供養
朝まだき 弱者弱者の声は聞こえない 響かない権力に近づこうとする人は溢れ弱者は日陰に残される日陰の中は寡黙になり日陰は静まり日向の知らない深い世界に思考を研ぎ澄ましてそして日陰は醗酵していく 2024.11.22 朝まだき