朝まだき

自然果て無き宇宙 芥の人の身何ものをも超える思考無限の涯を見ている運命の果ての一輪のアザミの花満月の裏寒い月光の中宇宙と一体に命を輝かす風にリズムをとりカエルの声と同調し霧の繁みに情熱を灯す一草も生きている一草も伸びようとしている
思い出

人生風が吹いていた風が吹いている路地に生まれ懐かしい人達がいた私は今 還っていかなければならない時から離れ 立ち止まり続ける皆が進んでいく 離れていくチョウチョウは強い風に向かって飛びトンボは麦藁帽子を自分の庭にしている黒猫は駆けてきて飛び...
供養

お香お香を焚いてあげましょう何もしてやれなかった父母へ私はもう これ位しか力が無いのです今までも大して無かったのです心からのお香を焚きましょうせめて あの空の遠くまで届くように思いをこめてもう 同類となった父母へ最後の勤めのお香を焚きましょ...
朝まだき

弱者弱者の声は聞こえない 響かない権力に近づこうとする人は溢れ弱者は日陰に残される日陰の中は寡黙になり日陰は静まり日向の知らない深い世界に思考を研ぎ澄ましてそして日陰は醗酵していく
夕照り

発光するキノコ発光し群がるキノコ達は遠くの宇宙に合図を送る故郷に合図を送る離れてしまった者たちへそしていつまでも去っていく
朝まだき

人間性この人は見てしまったのだ人間の後ろに覗く黒い影を右を見ようとしても左に向かせる大きな黒い手が頭を掴んでいる誰が作ったのか容赦なく呑み込もうとする大きな黒い深淵を残り少ない人間性が葉を食いしばる
朝まだき

使命大きな運動の中でわずかな物に残る原始的それが持っている人間の力を私のフィーリングに会う言葉で追っていく唯 よく私は間違いもするのだが残された時間の中でそれは使命です
思い出

故郷後になり 先に行き日を重ね 陽は沈みそうして故郷は過ぎていった毎年サクランボは春を思い出しヒマワリは夏に輝いた私は体を育て 思想はできていった既にその町を遠く離れ帰る理由を失くしてしまったのだがいつか又あの思い出を考える時はあるのだろう...
思い出

一生ナメクジに友達はいるのだろうかミミズに仲間はいるのだろうか一緒に戯れることなく個として生きていく共に生きた丘の上に神殿を築いた民の末裔は交わることなく朝を迎えた実に差別的に朝を迎えた
朝まだき

重荷古来 重荷を背負う者のために宇宙はあるのだ重荷は創造になる善意は単なる一つの状態だ悪意も単なる一つの状態だ進む者のために空間は出来ている永遠なるものは創造の力だけか