朝まだき

追い詰められたら追い詰められたら私から何が出てくるのか宇宙が出てくるのに銀河系が飛び出してくるのに小さな人間と皆言ってくる小さな人間の前は大きかったのだ私の脳に書いてある誰も気付かぬ意識は知っているだから 私は大きくなれるのだ
夕照り

思考的人間つるんつるんの卵のような頭になった人間はくしゃみも出来ずに頭脳は内面だけになって考えていた外の気配はわずかにするのだが何か暗そうな日々が過ぎてるようだ望めばいつか太陽をのぞけるかもしれないがのっぺらぼうになって唯 思考内の中で生き...
思い出

思考の退化電車はなだらかな川の流れの谷を行楽帰りの親子を乗せて晴天に膨れ上がっていた下半身の汚れた豚は遠くに走り去る者たちを眺めながら考えていた私もあのように遊んだ日から何千年経ったかをまだ 二足歩行で 棒も握れたのにこの道を与えられて日々...
朝まだき

あの時私はふと 地上に生まれ落ちた二本の足を与えられ前後に進むことしか仕方ない者としていつまでも一人で生きていく分けられた英知は少なく人に与えられもせず塵芥をまき散らすだけの身は樹体の限りの葉に満ちて黄金の魂と飾りを散らすイチョウを眺めいつ...
供養

祈り止まらない時間苦を作り 死の元いつも人に交わり絡みついているねばねばと動いていて間に喜怒哀楽が明滅しわずかに見かける澪標がわずかな人たちに 苦悶した精神に僅かな希望となって 人に寄り添う大きな優しい魂が流れに抗って手を拡げている纏わりつ...
供養

見知らぬあの人へ一人小高い山の末枯れた紅葉の中20度の勾配を踏みしめるここは先頃苦しんだ人生を自分で終えた所一隅から黄ばんだ魂を感じる人の世のつれなさ寂しさを洞察と祈りを込めて勾配を踏みしめて行く
夕照り

民主主義技術も知識も持った人が人間の力を超えて働いている何故か手は泥をまとい人々の底辺で身の限りを尽くすつまらない淋しい人間は ただ 人の上に立つことを目指し口腔だけで身を飾るそういう世界の無意味さに気付いているので果てない世界に溶け込んで...
夕照り

立派なものたちあなた と わたしものの初めただそれだけだったのに立派な導きの立派なお堂でなくやさしい教えの粗末な佇まいで良かったのに立派な御殿になった時立派だけのものになってしまった時その時の人の世の限界出て行け見かけだけのものになってしま...
供養

有り難う皆んな笑っている写真の中で笑っているもう 誰もいないのに 影だけになってしまう日がくるのに私を見つめているいつまでも話し合えると思っていたのに毎日 私から離れていく私も彼等を置いていくしかない何時までも有り難うとささやいている
思い出

忘れ物(始発駅にて)私は今帰郷するそばで親子の別離を眺める君達の父は母は 田舎の無骨な人のようだ当てずっぼうな会話も交わされ方言交じりで語られている偉ぶることのない表情の彼等から競い合う原理の道を選んだ子等にまずは頑張れ 困ったことがあった...