朝まだき

朝まだき

お盆に笑いあう時代があったほほえみの時代もあった悲しみの時代がありイカリの時代があり決して世界は一つにはなれないのに最後に残る権力指向だけが人々の道を閉ざす人は一人にならなければならない人は一人から始めなければならない
朝まだき

心閉ざされた心どうしようもない心この大宇宙で一点の灯火でしかない心が無限に拡がって遊んでいるその後を人間が追っている
朝まだき

歳月大きな木立の最初の一茎は人知れず か細く相生相克の中に水路を掴む地の豊穣は 生を育み長き歳月の風雪に頼るものもなく無限の中のわずかな薄皮の間に内部宇宙の荒野を進む
朝まだき

荒野空漠の荒野を漂うごと行く果ての余りの暗さに一条の光だになく回帰せる者の名残も無く奈落へ進む一個体は善行の何をもってか変えられん狂気と悟達の何れをもってか正に救われん
朝まだき

光求めて塵芥に夢を託した精神は何光年のかなた 全体にはびこり取り残された心はちゃくちゃくと腐敗が瀰漫し孤独地獄の中で 双眼をひからす宇宙の心奥より吹き来る風は一日中 私を凍らす苦しさに 手を差し上げれば手招きするは禍々しき手のみ一条の光求め...
朝まだき

日の国その時 日本の少年はリンとして立っていたいつか 幼い妹のカタキを取らんと国は敗れても この子は敗けていなかった リンとしてこの極東のかぼそき民は 優れた民族に追われ追われて東の果てまでたどり着いたのであろう自らの希望を守るため リンと...
朝まだき

願い南の海に繰り返されたイクサのの後て゜5cmの蟹は 片手5cmのハサミを持ち1cmの飛び出た目で今でも何を招こうとするのか今まで何を見ようとしたのか当てにもならない理想が欲しいのか繰り返す波のように いまだに手招きしている