朝まだき

朝まだき

トンボの一生

とんぼよ秋の一日残り少ない日数を後世と血筋の力に託し最後の有頂天をつがいにして飛んでいる私はその間に車を走らせていたのだがおうっと危ない妻を守ってしっかりカジ取りをせよ
朝まだき

野武士

夕暮れに私にまとわりつく一匹の蜜蜂離れようとしてもしつこく体当たりこんな大きな馬鹿者に何を怒っているのだ軽く払えば それで最期なのに視れば分かるハズその大事な命をそんか大事な時間を何を考えているのだ
朝まだき

生きる

なんと素晴らしいものを書きなんと素晴らしいものを残したとてなんだか生きているのが一番のような気がして死は待ってくれないし諦めはつけてあるのだけれど生きている時が 辛いことや楽しいことで疲れるものだとしてもやっぱり変化のあるこの世が一番で最後...
朝まだき

エーテル

夜のエーテルが人々の間に物と物との間にギッシリと包み込むそして人々を 物と物とをびっしりと大地にへばりつけてしまう宇宙の神々しい緊張のある山奥の村は子供たちをキラキラにして世に送り出していった
朝まだき

雨の記憶

雨が降っていますあの時と同じように少し濡れた頭を白いハンカチで拭いてくれたあの思い出を甦らして古い古い記憶の中からも雨が降ってきます
朝まだき

音楽

そう 宇宙は音楽に包まれて流れていけばそれで 良いのじゃないだろうかそう その中に包まれて私などが何処かへ去っても宇宙の均衡は音楽に包まれている私には そのように見えている
朝まだき

音が世界を充たしていた音は時と同意語今まであった無数の音を聞きたいと思った音は私を責めない音は悲しみ自分だけでは存在足りえないのに世界の厚みはその何もない音によって成り立っていく
朝まだき

生命

花が笑っている家族揃って広大な中に一点に場を占めてとくとくと水の流れ生命の流れ長大な時の中に凝縮させてゆらゆら揺れて生命の姿を見た生命はいつまでも揺れている時は揺れている
朝まだき

夢の故郷

秋の晴れた日私の街にふらりと現れたのはキルギスの商人でした見るからに異国の装いなのに違和感が無かったのは余りにも上手く日本語を話すので誰もが親しみを覚えるからでしたしかし 彼は五歳から異国を巡るれっきとした商人でした一番最初に旅に出た時は祖...
朝まだき

人生

人生の最後にあぁ こんなものた゛ったのかと 言う時は必ずくるそれまでは まだまだ何かあると思ってまだまだ何か出来ると思って日々を失っていくいつまでもの記憶が人を引っ張っている