朝まだき あの時 私はふと 地上に生まれ落ちた二本の足を与えられ前後に進むことしか仕方ない者としていつまでも一人で生きていく分けられた英知は少なく人に与えられもせず塵芥をまき散らすだけの身は樹体の限りの葉に満ちて黄金の魂と飾りを散らすイチョウを眺めいつもいつ... 2024.12.15 朝まだき
朝まだき 猫 猫にも悲しい日はくるのだろうか静かな顔で変わらぬ食事をして良い日が来るのか来ないのか何故か細眼の猫はいない大きな眼を見開いて斜に構えることもなく定めの中で生きていく宿命に恐れず今日も満たされずに家々の角を忍びやかに伺っていく 2024.11.28 朝まだき
朝まだき 自然 果て無き宇宙 芥の人の身何ものをも超える思考無限の涯を見ている運命の果ての一輪のアザミの花満月の裏寒い月光の中宇宙と一体に命を輝かす風にリズムをとりカエルの声と同調し霧の繁みに情熱を灯す一草も生きている一草も伸びようとしている 2024.11.27 朝まだき
朝まだき 弱者 弱者の声は聞こえない 響かない権力に近づこうとする人は溢れ弱者は日陰に残される日陰の中は寡黙になり日陰は静まり日向の知らない深い世界に思考を研ぎ澄ましてそして日陰は醗酵していく 2024.11.22 朝まだき
朝まだき 人間性 この人は見てしまったのだ人間の後ろに覗く黒い影を右を見ようとしても左に向かせる大きな黒い手が頭を掴んでいる誰が作ったのか容赦なく呑み込もうとする大きな黒い深淵を残り少ない人間性が葉を食いしばる 2024.11.21 朝まだき
朝まだき 使命 大きな運動の中でわずかな物に残る原始的それが持っている人間の力を私のフィーリングに会う言葉で追っていく唯 よく私は間違いもするのだが残された時間の中でそれは使命です 2024.09.19 朝まだき
朝まだき 重荷 古来 重荷を背負う者のために宇宙はあるのだ重荷は創造になる善意は単なる一つの状態だ悪意も単なる一つの状態だ進む者のために空間は出来ている永遠なるものは創造の力だけか 2024.09.07 朝まだき
朝まだき 思想 私の生はムダしか生まなかった遠くの悲しい目 瓦礫に住む人たちがいるのに思想がそれを強いているのならせめて叫ばなければならない歴史に残すな 残してはならないいつか永遠にその記録を消しさらなければならない 2024.08.27 朝まだき
朝まだき お盆に 笑いあう時代があったほほえみの時代もあった悲しみの時代がありイカリの時代があり決して世界は一つにはなれないのに最後に残る権力指向だけが人々の道を閉ざす人は一人にならなければならない人は一人から始めなければならない 2024.08.22 朝まだき