夕照り

無常

この夜中に空しい嘆きに時を費やすバカがいる食われるためにだけ生きてきた者がいるこんなに弱い者達が生存している進化論はおかしい
思い出

そんな時代

月にアコーディオンが流れる10万年後の人間は思い出しているアコーディオンに潜んでいる地球を
夕照り

青いトンボ

心の暗い暗い平原を青いトンボが私を囲んで鋭い口が語り掛ける亡き母が おばさんが負けるな立ちなさいと言っているのだ私に与えられた最後の恩寵なのです
夕照り

ハチの臨終

宇宙のこんな素晴らしい形に完成しながら今 息絶えました一グラムの魂がふうと抜け広大無辺に交わろうとしています私のミニ宇宙の中でもそんな力が右往左往しているのが分かります私も唯のそんな力なのでしょうが
思い出

宇宙より

人は宇宙に作られたそして人は宇宙を創っていく故に 宇宙には人が詰まっている   神も詰まっている宇宙には狂気も苦悩も潜んでいる生も死も 美も悪も 男も女も飛んでいる漂って争っている幸せが分かる時は今はもう遅い
供養

戦時開拓民

国は民をだまし人間社会は同胞を苦しみの中に見捨て見捨てて人生を終わらせた行き詰った末のやっとの果てのか細い腕でさえ置き去りにした人達には同じ運命にはまるまで相手を知ることはない非情のトルネード
朝まだき

時空

風はインフレーションの残像人は宇宙を漂って138億年を飛ぶあなたと会えるのはいつの日か可能性の発見人はいつも夢見ている
朝まだき

言の葉

人は言葉で出来ている言葉とはタテ ヨコ ナナメの三次元四次元 五次元になる時言葉は増殖を始める
供養

行きついた民

放牧の民の歌声はうねった草原を超え険しい谷を抜けていく一張だけの家は風に吹かれてざわめいている夫婦は高原の急斜面に晴れの日の風に雨の日の雷鳴に父母の戒めを守る
供養

故郷

自宅の側に幅5間の清流が流れ寒い日の明け方下流にリンゴと鶏を食いにツキノワグマが渡っていく野性にとってそれが日常であった親から教えられた励ましであった