供養

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交響楽協働の素晴らしさ乱立のこの世の中でその交響の尽きない流れの中での意志の絡まる僅かな時間目覚めてくる時間いつかは果てて 乱れ行く前兆真ん中に中心が必要でほんの一時の積み木いつも来る 夜の未完の前のあの静寂人として望んで得られない   も...
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死人死人の額に手を触れる冷たい肌だ物体と違う 不思議な冷たさだ私の熱を吸い取っていく渇望した冷たさなのだ何か思いの残るような静かな 静かな冷たさなのだ
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戦後忘れられた子供たち地理的 歴史的に子供たちは現在を無邪気に遊びたいのに空間に 時間に取り残された多くの子供たち草原にとどまりいつまでも化野には行かないのだ
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殺人鬼一人の人間が優しさの中で生まれ愛の中に育ち慈しみを養った体は知恵を持ち悲しみを感じ喜びが湧き怒りは手を握りしめ楽しみは人並みであった愛は切なかったその中に狂気などというのは無に等しいほどのものであった本人を動かしているのは本人以外のも...
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一生農夫は荒れ地の木をを切る耕地を伸ばし豊かな刈り入れを夢見朝から昼を惜しみ暮れて一日の成果を見るささやかな食事と子供のあどけない目が限りなく彼を奮い立たせた誠実であったある日 鍬が手から離れなくなったそれでも良かったのだが運命の泥濘は 誰...
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老歌手の死世がまだ混乱としていて今だけに一生懸命な夢だけしか無い時代にあなたは余りに早く民心を温め夢を夢見る事しか叶わなかったあなたが光で自分の人生を飾って世を終えた完成に近かった人生華やかな 羨ましい人生が幕を閉じて 心は何かを伝えてくる...
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祈り止まらない時間苦を作り 死の元いつも人に交わり絡みついているねばねばと動いていて間に喜怒哀楽が明滅しわずかに見かける澪標がわずかな人たちに 苦悶した精神に僅かな希望となって 人に寄り添う大きな優しい魂が流れに抗って手を拡げている纏わりつ...
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見知らぬあの人へ一人小高い山の末枯れた紅葉の中20度の勾配を踏みしめるここは先頃苦しんだ人生を自分で終えた所一隅から黄ばんだ魂を感じる人の世のつれなさ寂しさを洞察と祈りを込めて勾配を踏みしめて行く
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有り難う皆んな笑っている写真の中で笑っているもう 誰もいないのに 影だけになってしまう日がくるのに私を見つめているいつまでも話し合えると思っていたのに毎日 私から離れていく私も彼等を置いていくしかない何時までも有り難うとささやいている
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お香お香を焚いてあげましょう何もしてやれなかった父母へ私はもう これ位しか力が無いのです今までも大して無かったのです心からのお香を焚きましょうせめて あの空の遠くまで届くように思いをこめてもう 同類となった父母へ最後の勤めのお香を焚きましょ...