夕照り

夕照り

一年

もう思い出を閉じる無表情な風が身を固くした木々の間をすり抜けていく山々は一年の疲れをみせるように紅葉しもう一生の勤めを終えようとして死んで駆けていった私の父も時の漆黒の中に閉じ込められてしまっている
夕照り

旅立ち

例えば娘が旅立つというのは体がじんじんすることなのですもう ずうっとこうなのた゜としても宇宙の顧みられない一コマであって私が個人の中に取り残されていく
夕照り

ネズミ

粘着マットに ネズミは捕らわれ鼻まで接着した状態はもう逃れられない鳴き声はこの時のためなのか何処までも 切ないせめて河原などで最後にとという思いはビニール袋に入れられて車に積まれた取るに足らないものを野辺の送りにとハンドルを握る心は感じてい...
夕照り

権力の循環

人民は何かを狙って権力にペコペコ権力はその上の権力にペコペコまたまた上の権力にペコペコ最上の権力は人民にペコペコ人民は威を借る権力にペコペコ
夕照り

人生

人は一つの生を渡り多くの夢で生きていく喜びも悲しみも 織り交ぜて流れ流れて 帰っていくそして後には自分自身だけの優しい物語を残して
夕照り

地球号

緑の地球号は幾多の喜び悲しみを乗せながらその軌道を幾億年と微動だにせず へ巡っていく微動だにせず 落ちていく
夕照り

取り残された少女

冬が寒く暗い夜空には皆既月食になる月がくすむでる日家々も戸の鍵を下ろした時刻なのに雪道に少女が一人青いシルエットを落としている何一つ生命を感じさせない田舎の夜に少女は取り残されて人類の最後をそこに見てしまった
夕照り

冬の蜂

冬の蜂は羽根を忘れ仲間の虫も去り人間にか細い生を晒す進も止まるもすでに寄る辺無ければ何ほどの生だったのか我もかくのごとし又 多くもかくの如し
夕照り

無常

この夜中に空しい嘆きに時を費やすバカがいる食われるためにだけ生きてきた者がいるこんなに弱い者達が生存している進化論はおかしい
夕照り

青いトンボ

心の暗い暗い平原を青いトンボが私を囲んで鋭い口が語り掛ける亡き母が おばさんが負けるな立ちなさいと言っているのだ私に与えられた最後の恩寵なのです