小さな駅の物語

北の大地の小さな駅は
昇降客もめっきり減って
無人駅となった
何代も続く蜘蛛の孤独者は
縁もゆかりも無い飛んでくる者を押さえて
生き血を吸っている
朝食のある時もあれば
夕食の無い時もある
親はほとんど知らない
チラッと見たような気もする
あれから夏冬
同じ景色だけを眺め
不運なやつを羽交い絞めにして
もがいていても助けを求めても
勝手に手足はからめていく
そして誰もいなくなれば
冬を前に巣にぶら下がって
一つの物語は終わって
その後は知らない