朝まだき

音が世界を充たしていた音は時と同意語今まであった無数の音を聞きたいと思った音は私を責めない音は悲しみ自分だけでは存在足りえないのに世界の厚みはその何もない音によって成り立っていく
朝まだき

生命

花が笑っている家族揃って広大な中に一点に場を占めてとくとくと水の流れ生命の流れ長大な時の中に凝縮させてゆらゆら揺れて生命の姿を見た生命はいつまでも揺れている時は揺れている
夕照り

神韻

ひびけこの小さな響きが目に見えないものがびっしり詰まった精神とかそんな中を すり抜けてもう目に見えない響きになってしまって時の中を物質の中を永遠に不滅に渡っています私の宇宙は 不屈の意志に満たされている
思い出

風は人の間を淋しく流れていた悲しいものの間を淋しく流れていたどうすることも どうしようもなく流れていた昔々様々あって悲しい出来事の時も西から東へ 南から北へ木々とすれ違ったり土と遊んだりしながら無邪気にもの達の間を流れて行ってもう 還ってく...
供養

悲しみと自由

今日人は空を飛んで少々危なかっしく自由のイメージを漂わせているでも生まれた時から人にはそんなにはっきりと背中に悲しみの翼が付いている翼というのは悲しみの象徴なのだあぁ悲しみが自由の象徴とは許せ我が細胞の秘密
夕照り

雨蛙

雨蛙がキャッツアイをして曇り空を仰いでいる座禅をして宗教的夢想に耽っている雨蛙というのは中々大したものなのだ虫を食っても悟達して蛇に飲まれても肛門から帰り夕方は友人とひと風呂浴びて口を開けて眠気をきざし人様御殿の夫婦喧嘩で熟睡だなりたいよう...
供養

病室にて

地球に迷いし魂は又 別れを告げ更なる旅に出る数々の出会いし魂は再会の契りも無く永劫の変転に託する他なく悲しみは全てが等しく持つ定め又何かになって転変してもどうにか幸福になって私の祈りを奉げたい
思い出

残像

父が死んで父は檻に閉じ込められてしまった私は又私の過去を失ってしまった死んだ人間が記憶の中で生きている若くなったり歳を老いたりまだ素っ裸で居間を歩いている絵の無い映像になって私を睨んでいる
供養

もう私の父は そこからもう先には行けないのです時の檻の中に閉じ込められて徐々に離れていく私達を見詰めているしか術はないのです
夕照り

一年

もう思い出を閉じる無表情な風が身を固くした木々の間をすり抜けていく山々は一年の疲れをみせるように紅葉しもう一生の勤めを終えようとして死んで駆けていった私の父も時の漆黒の中に閉じ込められてしまっている