朝まだき

生きる

なんと素晴らしいものを書きなんと素晴らしいものを残したとてなんだか生きているのが一番のような気がして死は待ってくれないし諦めはつけてあるのだけれど生きている時が 辛いことや楽しいことで疲れるものだとしてもやっぱり変化のあるこの世が一番で最後...
夕照り

子供

子供は老人の命で限りある人間の宿命は子供に愛情をそそがせた人は寿命が延びそして不老不死になる時子供は老人の何になるのだろう懐かしさは 愛おしさは残っていないとしたら地球は重力を諦め人はやっと手を繋ぎ始める
思い出

花を散らせて 春が行く無情に吹く 世の徒然の疾風にあでやかさを 弄ばれながら今年も この世の春を淋しく散らせていく
夕照り

人を乗せて走るのに最適の形だった馬たちは人が馬を必要としなくなった時その美しい形は悲しみを帯びてきた帰るべき自然もなく人の感情に その歴史が預けられたときに神は その不合理を淋しく 眺めていた
供養

人と共に

私は歌おう 人間の懐かしき過去と美しき楽しき未来を未来は悲しく辛くとも楽しき未来を歌おう人間は等しく淋しく一人の階段を 昇っていくのだから
供養

車に轢かれた野ウサギ

魂は峠を駆けていたのに足はまだ走っているもう目は必要もないのに開けておくことがこの世に引き留める最期のものだと判っているのか体はねじれ 内臓は破裂し九穴からは血が噴き出しているのに大きくカッと見開いてもう見ることのない空をもう味あうことのな...
夕照り

柴犬 留

年老いた柴犬留は歳老いた 源助爺さんを引いてゆく曇天の梅雨の日留は老いて湾曲した四肢を地に踏ん張り二人して国盗りをした訳でもあるまいに誇らしげに源助爺を引っ張っていく引っ張っていく先にささやかなお裾分けが待っている
思い出

晴れた日

呑気の売り子さんが私を見ているじ~と見ている私もつられてじ~と見つめ合うそして 二人共 笑った
夕照り

蟻のラモン

蟻のラモンは元気だいつも大地を見詰めてばかりでまだ 空を見たこともない彼に空はいらない踏みしめる土さえあれば遠くを望んでも仕方ない恐ろしい者ばかりだ仲間と一生懸命働く明日はないかもしれない人は笑うだろうしかし どうしろと言うのだ私は 私の一...
朝まだき

エーテル

夜のエーテルが人々の間に物と物との間にギッシリと包み込むそして人々を 物と物とをびっしりと大地にへばりつけてしまう宇宙の神々しい緊張のある山奥の村は子供たちをキラキラにして世に送り出していった