タンポポ

曇天青空のわずかな日に
タンポポは歩き出そうとしていた
かつて 向こうの村から
大分前の先祖が歩いてきたのを
親から聞いていたのだ
優しい川が流れ
ニワトリものんびりしていたのを
タンポポは立ち上がろうとしている
萎えた足を真っ直ぐ伸ばして
明日は歩こうとしている
残された日は僅かになっている