思考の退化

電車はなだらかな川の流れの谷を
行楽帰りの親子を乗せて
晴天に膨れ上がっていた
下半身の汚れた豚は
遠くに走り去る者たちを眺めながら考えていた
私もあのように遊んだ日から何千年経ったかを
まだ 二足歩行で 棒も握れたのに
この道を与えられて
日々の無い生活に思考も薄らいで
今日も ボンヤリ 電車を見ている