月日

この家は昔
理容屋だったのが分かります
黄ばんだカーテンと
少し残る木のガラス窓の白いペンキ
昔の賑わいも想像出来ます
一時代を終え
息子も他所の地に足場を築いたのでしょうか
周囲の真新しい家に挟まれて
もう栄えることのない家には
大事に育てられていた
雑草よりも強い 葵が
人の移ろいに関係なく
雄々しく
夏の日に咲いているのです